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50代、それでも戦い続ける 将棋指しの衰勢と孤独と熱情と
著 |村瀬信也
著 |木村一基
1300円(税抜)
ページ数:
発売日:2025年10月24日
ISBN:978-4-7993-3212-2
  • 商品説明
  • 目次
  • 著者情報
バカになっていく実感、衰えゆく体力ーー
あらがい、もがき、盤上に向き合う


朝日新聞将棋記者・村瀬信也が書いた、
50代プロ棋士・木村一基の軌跡


頭脳・体力の自己認識から若手棋士への気持ち、
AIに対する感触、将棋への思いまで、赤裸々に描くーー。

「退化している部分があるかもしれないが、全体の進歩の速さに追いつく伸びがないのかもしれない」
「『精一杯やっている』と思う自分と『もっと時間をつくって将棋に取り組めるはずだ』と思う自分と」
「記憶力とか読む量の衰えとか、自分がバカになっていくのを実感するのがたまらなく嫌ですね」
「経験が生きることを強引に見つけるとしたら、苦しくなったときに辛抱できるようになったことぐらいじゃないでしょうか」
「カーテンを閉めていいなんて、言わなきゃよかった。藤井(聡太)さんが焼け焦げてひからびるのをじっと待っていればよかった」
「(永瀬九段を)以前は強烈な人だな、と思っていたけど、今は憧れに近い気持ちを感じています」
「やっぱり、やっていて面白いです。研究が活きて勝った時は研究したかいがあったと思いますし、夜戦は自分の子どものような年代の人とケンカするようなところがあって、とても興奮します。この生活を少しでも長く続けたいです」


若き天才たちが躍動する将棋の世界で、
衰えゆく頭脳と体力 、進むAI、時流の変化 、
そして生まれる不安とあせり ――。

彼の抱える苦悩は、多くの働く中高年が
直面しているそれと重なるのではないかーー。

先の見えない時代の中で、下りゆく自分と向き合い、
もがきながら、あらがいながら、
「それでも、やるしかない」 と歯を食いしばる、
そんな人たちのための一冊です。

将棋好きな人も、そうではない人も、
本書を読めば、明日からもう一度戦うための勇気が湧いてくる!

村瀬信也


朝日新聞将棋記者
1980年生まれ。東京都出身。
早稲田大学将棋部で主将を務め、2000年の学生名人戦でベスト16に。2003年朝日新聞社に入社。2008年に文化グループ(現・文化部)に異動、 2011年からは将棋の専属担当に。大阪生活文化部などを経て、2025年から文化部次長として将棋と美術を担当。著書に『将棋記者が迫る 棋士の勝負哲学』(幻冬舎)がある。
個人X @murase_yodan

木村一基


棋士
1973年生まれ。千葉県四街道市出身、同市PR大使を務める。
1985年に佐瀬勇次名誉九段門下で棋士養成機関「奨励会」に入会。難関の「三段リーグ戦」で足踏みした後、1997年にプロ入り。23歳9カ月という遅咲きだった。2007年、名人挑戦権を争うA級順位戦に初めて昇級。2011年、全棋士が出場する「朝日杯将棋オープン戦」で初優勝。2019年、9期ぶりにA級に復帰。同9月、7度目のタイトル挑戦となる第60期王位戦で開幕2連敗からの逆転劇で王位獲得を果たす。 46歳3カ月での初タイトルは史上最年長記録。 座右の銘は「百折不撓(ひゃくせつふとう)」。何度失敗しても信念を曲げないことを意味する。