自らも月 400 時間以上働く著者は、現代の日本で、長く働くことが悪いことのように見られているのを憂えています。高度成長時代、人々は懸命に長い時間働いたのに、過労死という言葉は今のように社会問題にはなっていませんでした。
長い時間働くことが過労死にストレートに結びつくわけではありません。著者のように月 400 時間働いても元気で健康な人はいくらでもいます。長時間働いても、そこに自由裁量があるかどうか、また仕事に喜びが感じられるかどうかで健康を害するかどうかが分かれます。
著者はまた、現代の「健康第一」の風潮にも異を唱えます。健康のために人は生きるのではなく、健康はあくまでも手段のはずです。人生が充実するなら、健康など気にせず、好きなように生きてもいいのではないでしょうか。とはいえ、思いきり働きつつ健康も増進したい読者のために、著者は自らが実践して効果は証明済みの5つの驚くほど簡単な健康法を紹介しています。
本書は仕事が大好きで長く働いているのに、「働き過ぎは健康に悪いのではないか?」と不安を感じていたり、周囲の「あんなに働くなんてどうかしている」という軽蔑の目を悔しく思ったりしている人々への力強い応援歌です。