――ウクライナ危機以後の世界はどうなってしまうのか?
ロシアのウクライナ侵攻後に起こるであろうゲームチェンジを多角的な視点で俯瞰的に解説する電子書籍シリーズ第1弾。
本作では今回の戦争を個人(individual)、国家(state)、国際システム(international system)と3つのレベルに分類し、戦争が起こった背景や阻止できなかった原因に対する考察を試みる。
本作では主に下記の問いを立てている。
・ロシアのウクライナ侵攻はなぜ起きたのか?
・プーチンをこのような立場に導いた構造とは何なのか?
・戦争を止めるための国際システムはなぜ機能しなかったのか?
・米国やNATOはロシアの軍事侵攻を止めることはできなかったのか?
・ロシアにはプーチン大統領を止めるシステムが存在したのか?
・プーチン大統領は、なぜウクライナ侵攻を決断したのか?
・仮にロシアの大統領がプーチンでなかったとしたら戦争は起きなかったのか?
これらの問いに対し、自分なりの理解を深めたい方の道しるべとなる1冊。
はじめに
今世紀最大級の国際安全保障の衝撃
ウクライナ危機以後の世界はどうなってしまうのか?
本シリーズの構成――ウクライナ危機で変わる世界
国際秩序の変化とウクライナ危機の政策過程
1.「国際システム」から見たウクライナ侵攻
経済的パワーと相互依存
軍事的パワーと抑止構造
勢力圏と安全保障を担保する国際制度
2.「国家」統治からみたウクライナ侵攻
侵攻直前に開催された国家安全保障会議の全容
プーチン大統領を止める「国家」システムは存在しなかった
3.プーチン大統領「個人」からみたウクライナ侵攻
プーチン大統領は、なぜウクライナ侵攻を決断したのか?
戦争の引き金はプーチン個人だったのか?
神保謙
慶應義塾大学総合政策学部教授。
専門分野は、国際安全保障論、アジア太平洋の安全保障、東アジア地域主義。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了(政策・メディア博士)。防衛大学校講師、東京財団研究員ほか多数兼務。また、これまでに経済財政諮問会議21世紀ビジョン「グローバル化ワーキンググループ」専門委員、日本国際問題研究所研究員、日本国際フォーラム研究主幹などを歴任している。
主な著書に『アジア太平洋の安全保障アーキテクチャ: 地域安全保障の三層構造』(日本評論社)など。