トリーズ(TRIZ)とは、
ロシアの特許審査官が特許をベースに作成し、
200万件以上の特許で、定量的に検証・ブラッシュアップされた、
分野を超えて利用できる、他に類を見ない、非常に優れた発明と問題解決の理論です。
そんなトリーズのなかで、
とくに課題設定におけるベースとして重視されているフレームワークが、
本書で紹介する「トリーズの9画面法」です。
横軸を時間軸、縦軸を空間軸に取り、それぞれを3つずつ、計9個のマスに区切ったもので、
アイデアの整理や伝達だけでなく、発想についても同じフレームワークで行うことができます。
ポイントは「3つに区切る」ことにあります。
2つの内容の比較ではなく、3つめの空間をつくることで、
アイデアのスキマがうまれ、仮説や発想の道筋が見えやすくなるのです。
【目次】
はじめに
本書の構成と各セクションで得られるもの
第1部 トリーズの9画面法への招待
第1部の背景・第1部で得られるもの
9画面法がなぜ必要になるのか?
トリーズの9画面法とは?
伝わる資料は「包含関係×時系列」
従来手法で解決できなかった「問題点」
第2部 トリーズの9画面法を知る
巨人とは戦うな、肩に乗れ
第2部で得られるもの
9画面を「体感」しよう
第1章 横3画面 時系列を区切って考える
第2章 縦3画面 空間(システム)を区切って考える
第3章 9画面 時間軸×空間(システム)軸に思考を拡張する
第3部 9画面を活かしたコミュニケーション
第3部で得られるもの
第1章 コミュニケーションのための9画面法
第2章 コンサルティング手法と9画面法
第3章 9画面アラカルト
参考文献9画面
あとがき
高木芳徳
開成高校から東京大学工学部に進学。東京大学大学院工学系研究科修了。研究テーマは「知の構造化」(MITとの共同研究)。在学中に3つの学生組織を再興。また同時期、年商100億円規模の組織における常務理事として5年間無限責任で経営にあたる。
2000年、大手メーカーに入社。2年目に社内の基幹システム統合(EAI)において当時国内未解決の難題を解決し、純益数十億円分の効果をあげる。その後、社内転職するも研究所が閉鎖。次の職を探している時にTRIZと出会う。その後、R&D部門で2009年度の発明最多賞を取得。現在はデータサイエンティストとして新規事業(電子お薬手帳)に、アイデアクリエーターとしてイメージセンサ事業部等の特許活動に携わる。
プライベートでは3児の子持ちの共働き家庭にあり、常にアイデアが求められる状態。2012年TRIZシンポジウムで「最も役に立った発表」賞受賞。Win-Winな協調戦略が求められるボードゲーム、カタン(世界累計2000万セット販売)の2003年日本チャンピオン。