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不合理だらけの日本スポーツ界
著 |河田剛
1000円(税抜)
ページ数:
発売日:2018年4月12日
ISBN:978-4-7993-2251-2
  • 商品説明
  • 目次
  • 著者情報
 本書の著者はスタンフォード大学のアメリカンフットボールチームでオフェンシブ・アシスタントを務めている日本人。スポーツ先進国である米国の中でも最先端のスポーツと言われるアメリカンフットボールの名門チームのコーチングスタッフとして働いてみて、日本との違いに驚愕することばかりであった。
 米国がすべて正しいというわけではないが、見習うべきことが山ほどあるのも事実。米国スポーツ界の奥深さにスポットを当てることで、愛すべき日本スポーツ界に警鐘をならすのが本書の目的である。

◯ カレッジスポーツ
 2008年の北京オリンピックにおいて、スタンフォード大学の学生及び卒業生が獲得したメダルは25個だった。なんと、これは日本が獲得したメダル数と同じである。一つの大学と一つの国のメダル数が同じとなってしまう秘密は、どこにあるのだろうか?

◯ マルチスポーツ
 アメリカでは、競技にシーズン制が導入されており、オフシーズンが設定されている。その間、試合がないばかりか、練習自体が制限される。そのため、アスリートたちはその間他のスポーツに取り組むことが可能となる。これには、自分に最も合ったスポーツが見つけられるというメリットがある。さらに、勉強や芸術などスポーツ以外の才能を見出すチャンスまで広がるのだ。その結果、複数のスポーツおいて州代表レベルで、学業成績も優秀という学生の存在が、けして珍しいことではなくなる。

◯ 指導者
 アメリカンフットボールのコーチの年俸は、10億円にもなることがある。彼らはいかにしていいチームを作り上げていくのだろうか? 日本のコーチにはない視点として、「リクルーティング」への注力が挙げられる。大学のアメリカンフットボールの選手を、メジャーリーグがドラフトで指名するなどがその好例である。その他にも、コーチたちが研鑽を積むための充実したシステムが存在する。

◯スポーツ医療
 著者がコーチとなってすぐ気づいたのは、怪我をした選手の復帰にかかる時間が、日本に比べて明らかに短いことである。スタジアム内にレントゲン設備の設置が義務付けられているなど、恵まれた環境のおかげもあるいが、最も大きいのはアメフト部のスポーツ・メディカル・チームの存在だ。そこにはなんと、首、肩、膝など身体のパーツごとに専門の医師がいるのだ。そこに加え、リハビリの専門家やトレーナーなども揃っている。

◯2020年とその後に向けて
 上記以外に、メディア、セカンドキャリア、エージェント、教育などの違いについて紹介したうえで、日本スポーツの未来に向けた提案を行う。
はじめに

第1章 日米スポーツ事情
ヘッドスライディングに見る日本のスポーツの不合理
「声出し」は有効か?
アメリカのスポーツに見られる合理性
日本のスポーツ界に警鐘を

第2章 アメリカのスポーツにあり、日本のスポーツにないもの
カレッジスポーツ
指導者
スポーツ医療
メディア
マルチスポーツ
セカンドキャリア
エージェント
教育制度と教育方針
TEAMとチーム
日本とアメリカの根本的な違い

第3章 2020年へ、そして、日本スポーツの未来へ向けての提案
もしも、アメリカに相撲があったら
2040年に向けて

おわりに

河田剛


1972年7月9日生まれ。埼玉県さいたま市出身。1991年城西大学でアメリカンフットボールを始め、1995年リクルート関連会社入社と同時にリクルートシーガルズ(現オービックシーガルズ)で活動。選手として4回、コーチとして1回、日本一達成。1999年の第1回アメリカンフットボール・ワールドカップ優勝メンバー。2004年に引退後、オービックシーガルズでコーチ就任。2007年に渡米し、スタンフォード大学アメリカンフットボール部でボランティアコーチ就任。2011年より正式に採用され、オフェンシブ・アシスタントに就任。現在、オービックシーガルズのアドバイザー、大阪経済大学客員教授も務める。現在、日本人の選手や指導者の中で、米プロフットボールNFLに最も近い存在。