会社を辞め、生きる力を育てる塾を立ち上げた秀平。
家族を支えながらも経営がうまくいかず、不安な毎日を過ごしていた。
そんなある日、口に入れると「自分の先祖が体験してきたこと」が夢となってあらわれる「ルーツキャンディ」を手に入れる。
秀平は祖父たちの生き様、決意、つないできた命の奇跡を知るなかで、これから自分の子として生まれる新しい命と、
塾の子供たちに伝えなければならない大切なことに気づいていく。
*本作は、『母さんのコロッケ 懸命に命をつなぐ、ひとつの家族の物語』(2011,大和書房)に書き下ろしの短編を加えた新装版です。
昭和五十一年夏
序章 平成二十三年夏
Candy
大波にのまれる小舟 昭和二十年七月
振り子
覚悟 昭和二十年九月
受け入れよう
愛するものがいればこそ 昭和二十年七月
鏡に映る自分
出会い 昭和二十五年
集中
確率 昭和四十四年
原因と結果
希望の塊 昭和四十五年
大切にするから
二つの使命
再会
Another Story 別の物語の始まり 平成二九年一月
あとがき
新装版あとがき
喜多川泰
1970年生まれ。愛媛県出身。2005年『賢者の書』(ディスカヴァー)にてデビュー。『君と会えたから……』『手紙屋』『上京物語』『株式会社タイムカプセル社』(以上、すべてディスカヴァー)など続々とベストセラーを発表する。2013 年には、『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』(サンマーク出版)が映画化され、全国一斉ロードショー。他にも『書斎の鍵』(現代書林)、『ソバニイルヨ』(幻冬舎)など、意欲的に作品を発表。その活躍は国内にとどまらず、中国、韓国、台湾、ベトナムでも人気を博す。