金融業界でフロントランナーとして活躍したトップアナリスト*が、仏教の世界観から提言する、持続可能な経済・社会のかたちとは。
*11年連続日経アナリストランキング第1位、10年連続Institutional Investor誌1位(それぞれ銀行部門)
現在のライフスタイルを維持するには、2030年には「地球が2個必要」であるという事実から、目をそむけてはいけない!
「経済成長は正義」という価値観は、目に見えて終わりを迎えているのだ。
かつてドイツの経済学者シューマッハーは「仏教経済学」を提唱し、『スモール イズ ビューティフル』をベストセラーにした。
同様に本書は、仏教の考え方を金融に活かし、経済を破壊した金融に、経済を正しく導く役割を担わせる。
「欲しがる」行動をやめようとしない経済を、「正しく生きる」美徳界に解脱させることで、持続可能な世界のかたちを考える。
第1章 静かに進む破たんへの道
1 ありえないことが当たり前に
2 格差拡大の経済学
3 地球環境の経済学
4 市場経済暴走の経済学
第2章 仏教経済学と定常経済
1 持続可能な社会に必要なもの
2 ケインズの弟子が提唱した「仏教経済学」
3 仏教経済学のポイント
4 自然科学と社会科学をつなぐ定常経済
第3章 金融はパンドラの箱か
1 自省する金融
2 そもそも金融とは何か?
3 金融に向きあう宗教の苦悩
4 持続可能性の視点からの金融
5 金融は経済・社会を変えるほどパワフル
第4章 仏教と日本的思考の美徳 ? 持続可能性を高める金融へのインプット
1 日本的経営の再考
2 仏教の世界観からの再考
3 仏教の精神が金融を、そして世界を救う
第5章 仏教ファイナンスと持続可能性
1 定常社会・定常経済の実現
2 定常社会・経済に導く「仏教ファイナンス」
3 仏教ファイナンスと行政
4 仏教ファイナンスと資本市場
5 仏教ファイナンスと銀行
野﨑浩成
慶大卒、エール大院修了、博士(政策研究)。埼玉銀行、HSBC証券調査部長、シティグループ証券マネジングディレクターなどを歴任。2015年金融審議会専門委員としてフィンテックなどを可能とする銀行法改正にも貢献。米国CFA協会認定証券アナリスト。銀行アナリストとして、11年連続で日経アナリストランキング第1位、10年連続でInstitutional Investor誌1位(それぞれ銀行部門)。2015年、縁あって、法然上人で知られる浄土宗の宗門校・京都文教大学総合社会学部教授に就任。