桃色の反吐を吐いたその日、妹の彩が失踪した。
兄の静男は、真相を知るためにクラスメイトの朝丘李花と共に
捜索を始めていくと、徐々に街の不穏な真実が明らかになっていく。
カブトムシの墓、小人、宗教、一年一組。
交錯する物語の中で、静男がたどり着く真実とは。
じわりと湿気を孕んだ夏空の下で繰り広げられる、
たった一週間の物語。
円山まどか
小説家。 代表作『自殺者の森 Sucide Forest』にて第8回講談社BOX新人賞Powers受賞。『Powers Selection 新走』(講談社BOX)収録の『木の葉に回すフィルム』などがある。
なかやま