「MANGA」が世界共通語として使われ、アメリカやヨーロッパでは、アニメのコスプレが日本文化として人気を集めているという。しかし、日本のアニメ、マンガは本当に産業として成り立っているのだろうか?
作品の、芸術としての評価と、ビジネスとしての評価は別物である。「クールジャパン」と胸をはる日本人だが、実は、世界で儲かるコンテンツを確立しえていないのだ。
作品がすばらしいのは、ディレクター(作家)の才能。作品が売れるのは、プロデューサー(統括管理者)の才能だといえる。日本はディレクター大国であり、アメリカはプロデューサー大国なのである。
アニメ、マンガ等のコンテンツ産業を、外貨を稼ぐ「本当の産業」とするための知財立国への道を探る。
(「はじめに」より)
戦後、日本が誇ってきたのは「ものをつくる」ハードパワーでした。しかし、世代の変化とともに、アニメやマンガといったソフトパワー面に価値が見出されるようになりました。日本の感性が大きな価値を生み、海外に売られている方向に進んできたのです。21 世紀の日本最大の輸出産業は、「日本文化」になっていくと確信しています。