誰かと話していて、心がちくちくした感じがすることがあります。それらは、たいていは、相手のほんのちょっとした「ひとこと」や口調によるものですので、とりあえずは、なかったことにして、そのまま会話を続けます。しかし、その場で感じたざらざらとした感じは、決して消えてなくなるわけではなく、いずれ小さな仕返しとなって現れます。
何気ないひとことといえども、実は、そこには必ず、なんらかの「意図」が働いていて、わたしたちは、ことばそのものに反応しているのではなく、その「意図」に反応しているからです。
本書では、一つひとつのことばの裏にあるメッセージ、それを発してしまう隠れた動機や相手に伝わっているものについて説明しています。その「ひとこと」を言わねばならない相手の事情と、自分自身の隠された願いを知り、互いに理解し合うことの一助となればと願います。