この物語の主人公は、一人のビジネスマンだ。
彼は、ある日突然、会社から解雇を申し渡される。
茫然として車を走らせるうちたどり着いたホテルの経営者は、杖をついた穏やかな容貌の老人だった。
しばらく滞在することにした主人公を、老人はある場所に案内する。
そこには二本の大木の間にワイヤーが張られていた。
意外なことに老人は軽々とワイヤーを渡りきり、主人公に同じようにやってみるよう促すのだった。
恐る恐るワイヤーの上に立った主人公は、自らの予想通り、すぐに地面に落ちてしまう。
しかし彼はなぜか、このワイヤーを渡ることが自分の人生にとって非常に重要なことだと感じる。
そして老人から綱渡りを学ぶことにした。
……主人公と老人の交流の物語を通じて「人生のバランス」の秘密が明かされていく。
物語の前に
人生という綱の渡り方
変化の前
変化
1.崩れたバランスを立て直す
2.バランスを生み出す
3.バランスを体現する
変化の後
時がたって
物語の後で
読者へのメッセージ
エリック・ユブラー
世界各地で講演を行うリーダーシップの専門家であり、個人および組織を対象とした「合気道マネジメント」トレーニングメソッドの考案者。1990年、米国で事業開発マネジャーとしてキャリアをスタート。2004年にフランスで最も成功している企業の一つに選ばれたファミリービジネスの経営に12年間携った後、2005年にアルタミラ・デブロプマンを創業。「啓示者」とも評され、変わり続ける世界におけるリーダーシップと幸福について、革新的で示唆に富んだビジョンを提示している。起業、チェンジマネジメント(変革管理)、武道における自らの経験に根ざした講演により、長期的なパフォーマンスの改善と、よりバランスの取れた生き方を実現する徹底した戦略を提案している。
フィリップ・ブラン
1988年以来英国を拠点として活動し、製品の仕入れ担当からたたき上げで、世界最大手ビール会社アンハイザー・ブッシュ・インベブの英国・アイルランド取締役会の営業担当取締役に就任した。2008年、交渉術を専門とし、世界水準の交渉者を育成する卓越した企業であるアイ・ネゴシエートを創業。幅広い交渉支援サービスを提供し、そのオーダーメード型の交渉力向上ワークショップには、これまで世界60か国以上の国々から15000人以上のビジネスエグゼクティブが参加。交渉心理学、リーダーシップ、チームパフォーマンスの権威として名高く、大手企業や個人クライアントを代表して交渉を行うほか、数多くのエグゼクティブ向けプログラムを英語とフランス語の両方で実施している。
矢島麻里子
翻訳者。東京女子大学文理学部史学科卒業。主な 訳書に『最高の脳で慟く方法』『さあ、本当の自分に戻り幸せになろう 人生をシンプルに正しい軌道に戻 す9つの習慣』『ポジティブ・インパクト まわりにいい 影響をあたえる人がうまくいく』(いずれもディスカヴァー)がある。